手軽な一揆の起こし方

エセ評論家の生活と意見

積丹黄金岬

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黄金岬

/AF-S Nikkor 35mm F1.8 G ED / Nikon Z6 + FTZ マウントアダプター

 

久しぶりの、一枚だけの写真記事。

Fマウントの35mm単焦点レンズ。

ss1/320, f9, ISO100の設定で撮った。

ボケなどの奇をてらわず、ごくごく普通に、 構図だけを注意して撮影した。

 

構図

 これまでは、癖で空を広く入れることが多かった。

3分割構図でいうところの上3分の1、あるいは3分の2や、二分割構図の上2分の1などだ。

しかし、それでは空が主役か準主役になれる場合(=天気が良く雲がきれい、夕日がきれい、等)の条件下でなければ映えず、制約が多かった。

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空多めの作例、野洲市琵琶湖岸

最近は、あえて空1割から2割という削り方をすることが増えてきた。

特に、先週黄金岬に行った際は、晴れていたのだがたまたま撮影地の上には雲がある、という状況だった(日差しは遮られて楽だったが)。

35mm単焦点ということもあり画角が決められているので、曇った空は大胆に削り(全体の1-2割くらい)、画面下端の夏の盛りの緑を入れた。額縁効果狙いだ。

積丹の海岸線は画面上左から中央にかけて遠ざかっていく斜線構図の要素をもたせた。

画面左の海の中の岩は、およそ画面左3分の1線上に乗るように配置した。本当はこの岩を、画面左3分の1線と画面下3分の1線という三分割構図の二つの構造線の交点に配置したかったが、画角上空の配分や下の額縁との関係上不可能だった。

他方、画面下端の額縁の緑の左端部分や、画面左の積丹の断崖と海面の交点は、おおむね上と下それぞれの三分の一構造線上にある。

 

レンズ設定

 手前の緑をむやみにボケさせても特に意味はないため、ここはパンフォーカスとすべくf9での撮影とした。

被写界深度を深くしてかつ全体の解像度が高く維持されるのは、このFマウントレンズの場合f9くらいからf16くらいのようだ。

 

RAW現像による色調整

 全体に湿気があり霞んでいたが、積丹ブルーらしさはよく見えた。

ここは、Adobe Lightroom Classicの力に頼むところが大きい。

特に段階フィルターを写真全面にかけたうえで、輝度マスクで特定の輝度エリアを狙い撃ちにして色補正すると、非常に効果的なRAW現像ができる。

今回は、ホワイトバランスを低めにして青みを強調し、色被り補正は緑よりとした。

青も緑も、Nikonの得意分野だ。RAW現像で引き出そうとすれば、すぐにきれいな色に引き出せる。

色と明度(ハイライトとシャドー、コントラスト)調整くらいで、カスミ除去やシャープネス系はほとんどいじっていない。

あまり霞んでいるものを、わざわざカリカリの画にするのも主旨としてどうかと思うからだ。自然状態で霞んでいたのなら、その状況もある程度尊重すべきとして、そこは抑制した。

 

にしても、風景でも花の物撮りでも、35mm単焦点は使いやすい。

超広角の入り口くらいの焦点距離24mm以下だと、パースペクティブ効果がきつく出てきて、壮大・雄大な感じは出るが、一方で撮りようによっては一枚の写真に情報が入りすぎて散漫になる。

35mmくらいであれば、パースはさほど効いている印象が出ず端正に、しかし50mmのように狭くもなくスケール感を出して撮れる。

便利な画角だ。