衝撃の情報(笑
私は、平家物語は林望版の「謹訳平家物語」に限っているが、SFなどの多ジャンルを横断して支持の多い古川日出男版(こちらはどちらかというと平家を下敷きにした彼の歴史ファンタジー的な作品というべきか)も、人気があるようだ。
それをまさかのアニメ化・・・
しかも、監督は誰あろう、京都アニメーションが世界に誇る日本の至宝、山田尚子である。
さらに、制作スタジオは京アニではなく、湯浅政明率いるサイエンスSARUだ。
アニメ業界では、あるアニメスタジオ所属の監督が他のスタジオで指揮を執ることはよくある。
マッドハウス所属のいしづかあつこがJC STAFFで作品を担当した例などが新しい。
しかし、私が記憶する限り、京都アニメーションに現在所属する監督(しかも役員)が、他スタジオで「客演」するのは初めてではないだろうか?
今まで、京都アニメーションで頭角を現して独立し監督となった方は多い。Free!(京アニ)監督後に独立し、BANANA FISHなどの指揮をした内海紘子氏や、キャラクターデザインから独立して監督となった高雄統子氏、同じくアニメーター出身で、独立後に大人気作「Re: ゼロから始める異世界生活」の監督を、もう50話以上も続ける渡邊政治氏など。こう見ると、京アニからいかに多くの優秀な人材が輩出してきたかがわかる。
繰り返すが、現役京アニスタッフでありながら外部でメガホンをとるのは、極めて珍しいことで、大変興味深い。
特に、商業系スタジオでありながら他とは一線を画する表現力をもつサイエンスSARUならば、そこで受けた刺激を京都アニメーションにフィードバックすることもできるだろう。
この逆もあってよいように、かねてから思っている。つまり、京アニが外部監督を招いて客演させるのである。P.A. Worksなどは、岸誠二や西村純二、水島努、岡村天斎など外部監督を招くことが多い。それぞれの色が出て、なおかつP.A. Worksの美麗な画で表現されるため、魅力的な作品が多い。
最後にこの作品の話に戻るならば、脚本はこれまで山田尚子と幾度もタッグを組んできた吉田玲子である。「けいおん!」、「たまこまーけっと」、「リズと青い鳥」などを生み出した、安定の黄金コンビが、客演兼座長公演で、どのような芝居を見せるのか。
秋の作品の中では必見だろう。