ぱっと見でカッコよく見えるが飽きる車かっこよく見えるが飽きるクルマと、地味だが見飽きないデザインのクルマがある。
大抵は、前者の方がよく売れるが、数年経つと、街に溢れていることもあり、急速に陳腐化して見飽きる。
後者はヒット車もあるものの、売れずに終わるジミ車も多い。十数年後に振り返るとデザインの良かった稀少車種として取り上げられることがある。
最近発売されたホンダCR-Vのデザインを見て、この視点から整理してみた。
1.最近のパッと見かっこよかったクルマ
トヨタに多い印象がある。
1)C-HR
例えば、現在日本非売モデルとなっているC-HR。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A8%E3%82%BF%E3%83%BBC-HR
これはパッと見かっこよく、デビュー時によく売れて、モデル中期以降息切れしたタイプのモデルである。
デザイン優先のため、運転時の視界性能などは犠牲になりそうである。
2)プリウス
C-HRと兄弟関係にある、現行プリウスもしかり。
https://toyota.jp/prius/grade/
3)ZR-V
ホンダのZR-Vも同様に、賞味期限が短そうなデザインと思われる。
https://www.honda.co.jp/ZR-V/
2.地味だが意外とタイムレスなデザイン
1)スバル、レガシィ(BL/BP系)
地味だがヒットした車で、BL/BP系レガシィがある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%90%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%82%AC%E3%82%B7%E3%82%A3
アルファ・ロメオなどを手がけたイタリアのデザイナーが担当したといい、全体の造形が簡素かつ伝統的で見飽きにくいデザインである。
2)マツダ、ミレーニア
バブル崩壊前後の車で、経済状況の煽りをくった車として有名である。
台数は捌けず、故にマツダの経営危機の一因ともなったと見られる。
しかし、車としてのデザインはじみながらも見飽きにくいクリーンなデザインだった。
3)ホンダ、アコード(CU系)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89
歴代アコードの中で、最も地味だったモデルと思われる。
当時は北米と欧州でボディが異なり、欧州のアコード=北米のアキュラTLXを日本のアコードとして導入した。
ボディサイズは欧州のDセグメントセダンに対抗するため大きくなり、当時としては大きな車幅が日本マーケットでは批判の対象となった。さらにホンダにしては珍しく、後席居住性も悪かったことが不人気に拍車をかけた。
しかし、デザインは今見ても秀麗で、ホンダ史上最もバランスの良いデザインとすら思える。
直4エンジンも回転フィールの良さが絶賛されていた。
3)BMW5シリーズ(E39)
https://ja.wikipedia.org/wiki/BMW%E3%83%BB5%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA
BMWの中で、今でも最も美しいデザインと思うのが、E39系5シリーズである。
デザイナーは日本人の永島譲二。
BMWは迷走と佳作を交互に出すが、佳作になるときは、必ずこのE39に原点回帰をしているときのようにおもわれる。
ちなみに近年のBMWは、モデル末期になった現行3シリーズが原点回帰型、次期モデルのノイエクラッセは迷走世代のように見える。
4)マツダ、アテンザ/マツダ6(GJ系)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%84%E3%83%80%E3%83%BBMAZDA6
これは世界の自動車デザインの賞で世界トップ3に入った名作である。
この車は地味でもなく、かつヒット作でもあるが、タイムレスなデザインの大衆車の傑作としてあげたい。
5)アウディ、A6(4B系)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%BBA6
決して伝統的なデザインとは言えない(特にリア周り)が、当時として先進的でありながら飽きないデザインである。
3.CR-V(RS系)のデザイン
https://www.honda.co.jp/CR-V/
筆者の主観としては、ホンダの最近のデザインの方向性に則って、クリーンでトラッドなデザインに見える。
先代CR-Vがごちゃごちゃのまとまりのないデザインであったように思え、そこからは打って変わって真逆のような方向性である。これは現行CIVICにも言える。
ホンダ全体として、代替わりでデザインの方向性に安定感がなく、そこはブランドとしてイマイチな印象を受ける。この点、BMWにもやや通じる問題を感じる。
ただ、現在の世代だけみるならば、CR-V史上最も完成されたデザインに見える。ホンダ全体で見ても、トラッドな方向性のデザインの製品としては、前述のCU系アコードに比肩する佳作と思える。
割高感も手伝って、まず多く売れることのない車(ホンダの販売目標自体少ない)だが、世界的には売れているようだ。
何年もの時間を経た後で、見直されるデザインであることは確かな気がする。