妙高の後は長野である。
長野には2016年秋に家族旅行でいって以来である。
長野を回るのであれば、牛に引かれて善光寺である。
善光寺さんに参らない手はない。
時刻は午前11時。
気が滅入る廃墟ツアーの後で訪れた長野市内は、やたらとにぎわっていた。
なぜか。
7年に一度の御開帳の時期に当たったのである。
前回参ったのが6年前だから、前回の御開帳はさらにその前だったことになる。
こうした山車などが出て祭りの賑わいであった。
コロナ禍もあって、こうした賑わいは久しぶりだ。
画面左にも寺院の壁が見える。
五本線がある。
さすが、「単立無宗派」の特殊な寺院とはいえ、全国に名をはせる歴史ある大寺院だけのことはある。
人いきれでお焼など買う余裕もないくらいだ。
善光寺は、極めて特殊な寺院である。
まず成立の経緯がなかなか類を見ない。
庶民の信仰を発端に生まれた寺院だという。
庶民がそれぞれの信仰を基に寺が建立され、さらにそこに叡山や仁和寺の高僧が招かれた。
現在、寺は天台宗山門派延暦寺と浄土宗総本山仁和寺から派遣される僧侶の共同運営のようになっているらしい。
中世の寺社勢力論などからすると、いわゆる絶対アジールのようなものに相当すると考えられる。
善光寺自体が一つの統治権力でもあったようだが、鎌倉幕府や周辺諸勢力の動乱に巻き込まれていたようで、興福寺や延暦寺ほどの強大な軍事力まで持ち合わせていたのかはよくわからない。調べる必要がある。
天気にも恵まれ、参拝によい日よりであった。
御開帳は今月末まで、延べ1か月ほど続くが、どうやらその間土日祝日は連日こうしたお祭りの賑わいのようである。
コロナ禍が結局どうなったのか、よくわからない相変わらずの日本流のあいまいさには辟易するが、合理的に考えればワクチン接種が進み感染による重症化等のリスクが一定程度まで下がった段階で、こうなるのは見えていたことである。
徐々に世の中が賑わいを取り戻していってほしいし、その復活の兆しを垣間見れたのはよかった。