手軽な一揆の起こし方

エセ評論家の生活と意見

関西から北海道に行く心理的距離

 

1.飛行機乗るのはめんどくさい

伊丹空港って展望デッキあったのね 構図は微妙です

11月中旬から、しょっちゅう関西と北海道を行き来している。

2か月に3回ペースである。

住んでいる場所が場所なので、自宅から千歳空港まで車で2時間くらいかかる。

自宅から実家までdoor to doorで7時間半から8時間である。特に冬場はなんやかんやで8時間かかる。

しかしそれは自宅がニセコなる辺鄙なところにあるからで、札幌に住んでいる人間ならばdoor to doorで6時間は固いのではないか。

確かにかなり時間はかかる。

北海道在住者は本州に用事がることも多く、飛行機を利用しなれている人も多い。

しかし逆はそうではなく、本州の人間はわざわざ北海道に来る用事がそうはない。

飛行機に乗る機会も道民に比べて少なく、一度の航空券手配が大儀である。

本州人に北海道へ行くことへの心理的障壁が高まる要因が、ここにあると思われる。

実際私の大先輩にあたるにもかかわらずため口を聞かせていただいているF氏なる滋賀県民は、昨年出張で北海道に行くことになった際に、まず航空券の買い方がわからず、わざわざJTBの代理店まで行って割高な航空券を買ってきたそうである。まぁF氏が通常一般の合理的人間の行動に引き比べてやや以上にどんくさいことは否めないが。

頻繁に利用する人は、私のようにANA/JALの公式やskyticketのような予約サイトから買うことが多いと思うが、慣れぬ場合は上記のような手間をかけてしまう。それゆえに「やはり飛行機乗るのはめんどくさい」となり、余計乗らなくなる。

 

2.チケット以外にもいろいろめんどい

飛行機というのは、やれ20分前までに手荷物検査抜けろだの、手荷物にならないものは預けろだの、うるさいのは昔からである。

手荷物検査ではPCを出せだの、ブーツやジャケットは脱げだの態度の悪い検査係に因縁をつけられる。機内ではペットボトルは水が漏れるかもしれぬから手元で持てだの、リクライニングするなだの言い始める。

搭乗させるときには、少ししかいないくせにプレミアムクラスの人間だけやたらと優先しやがる。

しかも搭乗順が後になる通路側の人間が搭乗した時には、先に入ってすました顔で座りてこましていやがる窓側のガメツい乗客が押し込んだ下品な量の土産物に荷物入れが占拠され、自分の手荷物を入れる場所が見当たらない。

CAをつかまえようにも微妙にどんくさいのが多く、右往左往しているだけでおよそ役に立った試しがない。一度など、空いている荷物入れはないかと私が訊くと、CAがあたふたして「あわわわわ」と言いながらどっか行ってしまった。なんだコイツ、と思っていた刹那、たまたま近くにいた乗客のJTB職員(社名バッジしていたので分かった)が極めて敏捷なる動きで座席の下部にある足掛けに足をかけてよいしょとよじ登り荷物入れに手を入れ自らの荷物を押してスペースを作り、わたしに「どうぞ、空いてますよ」と涼しげに示してくれたものである。

JTB、有能。

JAL、無能。

書いていて、次の木曜日に飛行機に乗るのが早くも嫌になってきた。

ちなみにこの一件がある前にANAが運行遅延を2往復4回連続でしてくれたことに嫌気がさしたゆえ、上記のようにJALに乗ったわけだが、こちらに乗ったら乗ったでこの体たらくなので、結局今はANA族(音の響きが悪すぎる)に戻った次第である。

上記以外にも、そもそも予約便の変更不可の割安チケット(割安とは言うが、鉄道との価格競争力でいえばこれくらい頑張って当然ともいえる)だと、その名の通りスケジュールの変更ができない。だいたい安い時で1万5000円ほど、高い時で2万2000円ほどである。

つまるところ、飛行機はマジめんどくせぇ。

 

3.で、他はどやねん

他の手段はどうか。

まずは鉄道である。

 

maitreyakaruna.hatenablog.com

以前書いた通り、帰省するとすれば倶知安長万部新函館北斗~東京~京都~丹波橋~樟葉というルートである。

最も脆弱なポイントが、自宅のある倶知安町から長万部のどローカル線区間で、朝6時20分の便を逃すと昼12時半までない。

死ねというのか。

値段は36000円ほど(普通指定席)。

所要時間は11時間半。

飛行機の場合、航空券の他に、車で空港まで行く片道料金が燃料代と高速道路代で5000円ほど、1週間預ける場合の駐車場代が3700円行きだけの場合その半分として1850円。伊丹についてから実家まで1200円ほど。20000円の航空券と合わせて合計約28000円である。

飛行機の方が安い。

しかし鉄道の場合、便の変更が容易で、一日に何本もある(倶知安長万部間を除く)。途中下車もできる。また、普通車でも席がゆったりしていて楽である。どんくさいくせに口うるさいCAもいないし荷物云々で五月蠅いことも言われない。

仮に北海道新幹線が札幌まで延伸されれば(ニセコ周辺で路線上に巨大岩盤が見つかり、いつ完成するかわからなくなったが)、東京-ニセコ間は最速達便で4時間40分くらい、という激しく希望的な観測がまことしやかに語られている。おそらく、実家からニセコまで8時間くらいで来れることになるのだろう。

であれば、いよいよ鉄道と航空の所要時間は差がなくなる。

私なら鉄道にするかもしれない。

おまけに京都御所の紅葉。12月半ばなのに色づきすぎやろ。ちなみにraw現像で全く色はいじってません。Olympusのそのままの発色です。