手軽な一揆の起こし方

エセ評論家の生活と意見

東京に行ったら物が安かった件

 

1.東京に出張

年末のただでさえクソ忙しい時期に、しかも北海道後志地方の山間部では風雪や氷点下の低温で移動が難しい時期に、そういう事情をわきまえない連中がやれ取引だの会議だのを東京でやるから来いという。

いっぺん逆にこっち来てみろ。

で、しゃーなしに今週火曜日から木曜日まで東京に行っていた。

ただでさえ移動や感染症対策に神経を使う今回は、一番小さいOlympusのカメラさえ持っていかなかった。

こういう時に限って、東京は馬鹿みたいに天気が良かったのだが。

しかも、今年は秋に台風が来ず、暖かい日が続いたため、都内の並木や公園の木々はまだ綺麗に色づいていたというのに。

 

2.価格

ホテルは、コロナ禍の頃からかなり上がったが、ハイシーズンの時期のように5倍10倍ということはなかった。

3倍ほどだろうか。

他方で、ニセコ(比べる対象が悪いのだが)に比べて遥かに安かったのが、食べ物である。

ニセコリゾートでは、リゾート地区ではない倶知安町の市街地地区でもランチが1000円では食べられない。

ラーメン屋やカレー屋ですらである。

しかも、目を見張るような素晴らしい味、といいうわけでもない。よくてまぁ、普通のクオリティである。

ちょうど来週、町内では初めての全国チェーンのファストフード店すき家が開店する。これが高すぎる飲食価格にインパクトを与えてくれればと思うが。

ちなみに倶知安町マクドナルドやケンタッキー、吉野家等のファストフードが存在しないのは、小樽などの近隣の都市から距離が遠く、サプライチェーンを維持できないこと、町内の土地賃料が、予想される収益とマッチしない(人口が少なく収益性が高く見積もれないわりに、地価・賃料が不相応に高い)が障害のようだ。

そんな中、今後高速道路が延伸することも見越して、すき家が先陣を切ることとなる。

話を元に戻すと、昼食の外食価格であれば、1000円を切るかどうかが境界線となる。

市ヶ谷で宿泊をしていたため、防衛省や法政大学などの近くで昼食をとった。チキンカツの定食で850円。量は多くも少なくもないが、倶知安町内であれば1200円くらいはするだろう。

夕食を、買い物に出た秋葉原ヨドバシカメラのレストラン街で食べた。アキバのギトギトのラーメン屋やカレー屋などの、油ぎった客しかいないところで油ぎったものを食べる気にはならなかったので、この町ではおそらく一番高い価格帯と思われるところに行った。

ちなみにヲタクには、キモデブかガリヒョロしかいないとされており、筆者は後者である。

蕎麦屋で、温かい蕎麦と天丼の定食を食べたが、1250円であった。

天丼はきっちり一人前で、中位のエビが3尾、キス天などが入っていて、内容はしっかりしていた。

東京の飲食店は、ニセコ地区に比べて、原材料価格が競争により安く抑えられているのかもしれない(大都市である東京の方がニセコより原材料調達費が安く済むという推定自体おかしな話だが)が、それを遥かに上回るくらいの高額の家賃がかかっているはずである。

にもかかわらず、飲食費はおそらく2−3割もニセコより安い。

他店との競合が大都市では激しいのだろうが、それにしてもかなりの差である。ニセコ地区が、やはり競争不在の環境なのかもしれない。

ちなみに、比較対象がもし大阪だったら、と考えると、その差はさらに凄いことになろう。

大阪市内の、梅田から堂島・北浜や天満などを東京の都心部と比べると、感覚的には、値段が同じならば大阪の方が食べ物の量が1−2割多いように思う。

つまり、ニセコは大阪の1.5倍食べ物が高いことになる。

人口が少ない僻地の観光地のため、飲食の値段は高く、かつ全体のレベル自体は決して高くない(腕のいい料理人が一部高級店に入るが、裾野は狭い)。

競争が起こるには市場の人口が必要なのだろう。