手軽な一揆の起こし方

エセ評論家の生活と意見

10月旅行兼出張 その7 奈良

 

1.奈良町

奈良市内の興福寺東大寺などの観光スポットの南隣にある、あまり知られていないが昔の趣を残す町並み、奈良町を散策した。

新潟→春日山上越高田→斑尾→軽井沢→金沢→京都(岡崎、南禅寺方面)とめぐって、この奈良が締めくくりとなる。

散策スポットとしては、以上の錚々たる面子と比べて全く遜色なく、むしろ締めくくりにふさわしいとさえいえる。

奈良町の街並み

昔ながらの古い町屋や屋敷、寺社が非常に多く残っており、京都の清水や金沢ひがし茶屋街にも勝るほどと感じられる。

全体がかつての大寺院、元興寺の境内地、寺社都市であったらしく、道の細さも近代以前のものを引き継いでいると思われる。

ネパールの窓格子

町家の一角に、大阪万博に出展されたネパールパビリオンの格子窓が移設されたものがあった。

 

2.元興寺

いまから12年ほど前、司法書士試験の1回目の受験が終わって結果発表間近の学生の頃に行って以来の、元興寺を訪れた。

以前も秋の季節、9月25日ころだったと記憶している。それまで厳しかった残暑が、ウソのように急に25度の快適な日本晴れの日だった。

今回は10月初旬だったが、同じく過ごしやすい、一点の曇りない日だった。

元興寺

以前訪れた時に撮った写真と、あえてほぼ同じ位置から撮った。

12年前の写真

上下とも、萩の葉が繁っているのがわかる。

下の写真のexif情報を見ると、2011年9月23日撮影とあった。ほぼ記憶通り。

当時はまだ、シャープのガラケーだった。

他方で、上の写真はNikon Z6/NIKKOR Z 24-70mm f4.0で撮影したもので、焦点距離約35mmである。下の写真はおそらくもう少し画角が広く、フルサイズ換算24mmくらいかと思われる。

まぁ、おんなじモノを同じようなコンディションで撮っても、色乗り、透明感(抜け)の良さ、コントラストの大きさなどは全く違う。

というか違ってもらわなくては困る。

思えば件のガラケー、この1年前(2010年)にアメリカのロサンゼルスにも持って行ったのだった。ただのケータイ電話だけれども、当時の写真はすべてこれで撮っていたのである。

思い出や思い入れというのはやっぱり、機械の性能とは関係ない。他方で同時に、もし当時からカメラを持っていて、いまと同じ現像技術(といってもショボいけど)があれば、もっときれいに記録を残せたのになぁとも思う。

萩の花と、天平の甍(知らんけど)と、蒼穹

少しずらしてもう一枚

寺といえば花である。私の印象では、寺の方が神社よりも花を植えたがるように思う。

牡丹の長谷寺、椿(五色椿)の白毫寺などなど。

彼岸花

季節も季節ということで、写真に撮るのが難しいことで有名な被写体、そして日本のアニメーターが絵に描くのが大好きな花でもある、彼岸花が見ごろだった。

彼岸花の撮影が難しいのは、おそらく花弁の真ん中に光沢があり、かつ色合いがかなり紫寄りの赤(クリムゾン系)のため、露光調整や色相調整が難しいことが原因だろうと、撮ってみて思い知らされた。

 

3.最後に

街並みの中にある千年前の建造物

奈良の街中は、これが普通の街並みである。

京都にも八坂の塔などあるが、建造物の古さでいえば奈良の方が古いものが多い(東大寺大仏殿などは頼朝の寄進のため比較的新しいが)。

まだ観光客に見出されていない、のどかな雰囲気の残った古い町並みは、今や円安で観光ブームとなった日本では貴重な風景である。

ガチの町屋なローソン

何かと思えばローソンである。

京都や金沢で、景観条例に合わせて作られた町屋風のローソンなどとはワケが違う。

マジのガチの町屋でローソンをやっている(扉も手動っぽい)。

しかし中身はただのローソンである(当然)。

面白いような残念なような。

この後は、週末に滋賀県草津で講演(そもそも当初はこのために関西に帰ってくると訂だった。ずいぶんいろいろ寄り道をした)、新大阪で一泊、翌日は伊丹空港から北海道に帰った。

 

今回の旅行で、NIKKOR Z 24-70mm f4.0は、描写能力、計量コンパクトさともに相変わらず申し分ないものの、焦点域が70mmまでしかないのがしんどく感じた。

よって、つい昨日NIKKOR Z 24-120mm f4.0を買うことに決めた。