富良野屋美瑛は晴れていたが、大雪の山のふもとの青い池は、あいにく曇りだった。
どうも、西から北雲が大雪の山塊で滞留するようである。
曇りならば曇りで、それなりの写真が撮れる。
特に青い池のように被写体の存在感が強ければ、なおのことだ。
ひとまず、曇ってコントラストが低い状況なので、露出アンダー気味で撮影のうえ、lightroomで現像する際に
1.ホワイトバランスを低め(青より)
2.色被り補正を緑より
3.コントラストをマイナス
4.シャープネスもマイナス
5.かすみ除去もマイナス(つまり霞がかかる?)
にして、徹底的にシャープネスを弱める方向で追い込んだ。
すると案の定、薄暗い中の不気味な池の様子になった。
曇りは曇りで、使える演出である。
こちらもまた、苦し紛れの一枚。
青い池の近くにある白金温泉の滝で、端から見下ろす位置にある。
曇りで光量が少ないのを奇貨として、露光時間を長くもたせた。
SS0.4秒である。
いくら曇りで暗いとはいえ、NDフィルターなしで昼間に0.4秒シャッターを開けようとすると、かなり無理をせざるを得ない。
ISOをLv. 0.3と基準ISOの100より一段下げ、さらにF22と絞り値を最大まで絞って、ようやく適正露出ギリギリとなった。
ISOは、基準値が最もダイナミックレンジが広くかつノイズが少ない状態のようで、フルサイズやAPS-Cなら100、マイクロフォーサーズなら200くらいである。ぱっと見ではあまりわからないかもしれないが、100より低い状態は理想的なものではないらしい。
絞り値も、絞ればそれだけ被写界深度は深くなりパンフォーカスにできる。しかし、あまり絞りすぎると、今度はピントが合っている部分の解像度が落ちるという弊害がある。私がよく見るYouTubeの伴貞良氏のチャンネルによると、特にNikon Zレンズは、解像のピークはF9.0-13くらいで、それ以降解像が落ちていく傾向らしい。
確かに、川原の石など若干粗い気がする。
SS0.4秒を稼ぎたかったのは、水の流れを白糸のように見せるためである。
本来ならば、ND2やND4のフィルターを単独、又は重ね掛け(=ND8)を使って、SS0.4のままF13、ISO100くらいにするのが理想的だっただろう。
あと、SSを長くすると、葉っぱが揺れて動体ブレを起こすので、何枚も撮影して歩留まりを確保しておく必要がある。
今回はわかりやすいランドスケープ写真ではなかったので、曇りを活用して撮影することができた。しかしフィルターなどの小物がない場合は、だましだましやることが必要である。