1.軽井沢
軽井沢で一泊してからの近畿地方へのルートは、二つある。
殆どは北陸新幹線で東京まで行き東海道新幹線で帰るルートを通るだろう。
しかしそれではなにも面白みがないため、北陸経由で帰ることに。
新幹線駅である軽井沢駅も、そのそばのアウトレットの駐車場も大混雑で、東京に近いリゾート地の強みは圧倒的に大きいと感じた。
交通マヒ一歩手前の軽井沢で、面白かったのがデマンドバス「よぶのる軽井沢」だった。
ネットでアカウントを登録すると、来てほしい時間に来てほしいバス停でバスを呼ぶことができる。
路線バスのようにルートが決まっていない(寄るバス停のみが決まっている)ので、タクシーのように裏道も通れると運転手の方が言っていた。
軽井沢町と西武鉄道、JR東日本の取り組みらしく現在は試験運行段階とのこと。
こうした二次交通はますます必要になるだろう。
下り線金沢行き。
ホームの待合室が気密性が高く快適で、寒い地域ゆえに非常によくできている。
JR北海道には無理だろう。。。
2.金沢
金沢に数か月だけ住んでいた時にも、結局茶屋街にはロクにいかなかった。
混んでいてクルマが止められないためだ。
今回は公共交通のみを使った旅行のため、金沢駅での電車待ち時間を使ってバスでひがし茶屋街に行った。
ちなみに、今回は北陸新幹線で金沢についてから、大阪行きのサンダーバードまで二時間半ほど空けた。
灯篭などを各町家に設置して、道に柳の木を植えるなど、街の魅せ方に工夫と努力が凝らされている。
この点は京都などと同じで、「自分が美人だとわかっている美人の自分の見せ方」がわかっているハイレベルな観光都市である。
軽井沢は、こういう方向性のレベルの高さではない。あちらは、富裕層の別荘地というブランド力と、大手デベロッパーによる資金力に物を言わせた開発が主導している感がある。散策する観光客の相手をするという優先順位は、あくまでその次といったところか。
相変わらず天気は悪かったが、街中でカメラを持っていると撮れ高が自然と上がるのが、こうした上級観光都市の特徴である。
適当に歩いていても勝手に絵になる写真が撮れるように、工夫が凝らされているということだ。
金沢の建物の瓦には、釉薬が塗られている。
雨が降ると特に光沢がよくわかる。
雪で割れにくいようにという工夫で、京都にはない風情である。
観光客向けに様々な工夫が凝らされていて、京都でいうと清水近辺に近い印象がある。
実際に、お茶屋、置屋ではなく、ほとんどがレストラン、小物屋、カフェなどで、もともとの「茶屋街」という感じとは異なる。
他方、祇園などの現役の花街などは「うっとこは観光スポットとちゃいまっさけ、観光客の方々は来はらへんでもかめしませんえ(=来るな、の意)」という感じで、観光客誘致のための努力などしていないのだが勝手に観光客が来てしまう。これがいかに異質かがよくわかる。
他方で、後日掲載する奈良市の奈良町である。
率直に言って、奈良町の潜在能力であれば、金沢ひがし茶屋街のレベルには十分に達し得る。それだけの街並みと、在所の商店が多く残されている。
金沢と同じか、それ以上のレベルの「美人」であるが、どうも当人が気づいていないようでもある。
おそらく後は、ひがし茶屋街における灯篭や柳のような、ちょっとした見せ方の工夫と努力で大化けすると思うが、これはまた後日。